印紙税は添付忘れなどのミスが起こりやすく、税務調査で指摘されやすいものの一つです。今回の記事では、印紙税の基本や注意点について解説します。

なぜ印紙税がある?

なぜ印紙税がある?

なぜ印紙税があるかというと、文書が経済取引の表現であり、担保力の間接的表現だからです。課税文書を作成すれば、その基礎にある法律行為の有効無効にかかわりなく、課税されます。

経済取引は、①見積もり、②契約、③契約状況の確認というのが一般的な流れですが、印紙税は②の契約のタイミングで課されます。

印紙税の注意点

印紙税の注意点

先述した経済取引において、変更があったとき、つまり契約内容が変更され、変更契約書となった場合などは印紙を忘れてしまうことがありますので、注意しましょう。

また、悪質な例としては、印紙税をカラーコピーでごまかす、印紙の使い回しなどがあります。どちらも言語道断ですが、使い回しは印紙デザインが定期的に変わりますので、注意しましょう。

印紙税について知っておきたいこと

印紙税について知っておきたいこと

経済取引の①見積もり、②契約、③契約状況の確認の3つの流れの中の②契約で「契約をメールで行うと印紙税がかからない」という節税方法があります。ファックスも同様に課税されません。

つまり、契約文書のやりとりを郵送または直接行うと、課税されるということになります。

印紙税の時効は、文書作成から5年になります。

電子メールでの契約

印紙税は文書にかかる税金。
ファックスやメールで送ったものは文書ではない=書類を渡さないと課税されない。

残高証明書の利用

お金をもらった後の残高を証明する書類なので印紙税がかからない=定期的に残高証明書を作成すると、領収の事実を間接的に証明することになる

注文請書:印紙税がかかる
注文内容確認書:印紙税がかからない

受取通帳の利用

領収書を発行せず、売掛金の入金を記入した通帳(19号通帳)を作成した場合、受取通帳1冊につき、1年ごと400円の印紙を貼ればよい

(1)第1号(消費賃借に関する契約書等)の課税文書より証されるべき事項
10万円(租税特別措置法第91条第2項軽減措置が適用される不動産譲渡契約書の場合は50万円)を超える金額 第1号文書

(2)第2号の1(請負に関する契約書)の課税文書により証されるべき事項
100万円(租税特別措置方第91条第3項の軽減措置が適用される建設工事請負契約書の場合は200万円)を超える金額 第2号文書

(3)第18号の1(売上代金にかかる金銭または有価証券の受取書)の課税文書による証されるべき事項
100万円を超える金額 第17号の1文書

英文契約書について

英文契約書について

英文契約書の印紙についても、税務署は確認します。契約書や協定書、領収書なども調べられますので、「英語だから分からないだろう」という考えは間違いです。英文の印紙税の検討において重要な単語は「contract」(契約書)、「agreement」(協定書)、「receipt」(領収証)になります。

なお、課税されるのは日本国内で作成された書類で、書類が作成された時点(契約書双方の押印またはサインが揃ったタイミングにおける契約書の所在地)で決まります。