税務調査を担当する税務調査官とは一体、どのような人なのか。

あなたのところに恐い税務調査官が当日やってきたら、どう対応すべきか?の記事では鋭い指摘をしてくる敏腕調査官のようなイメージをお持ちの方も多いと思いますが、今回の記事では税務調査官の人物像や税務調査でどのような点を確認しているのか、より基礎的な内容について解説していきます。

税務調査官という職業について

税務調査官という職業について

税務調査官とは、国税局や税務署に勤務している調査官のことで、税務調査を行うべく、専門性の高い教育を受けてきた人々のことです。立場的には国家公務員となり、税務調査官になるためには、次の2つの方法があります。

●中卒者・高卒者を対象とした「税務職員採用試験」で合格する
●30歳までの大卒者を対象とした「国税専門官採用試験」で合格する

この採用試験で合格すれば、税務調査官としての道が拓かれますが、この段階で税務に関する知識に造詣が深い人はごく少数です。

そのため、試験に合格した後は、国税庁が管轄する「税務大学校」で教育を受けることになります。

税務大学校での研修について

税務大学校での研修について

税務職員採用試験で合格した人は、全寮制の宿舎で生活し、1年間にわたる研修を開始。
研修期間が終了した後に税務署内の事務で仕事に慣れ、再び税務大学校で3ヶ月間の研修を受けた後、更に専門の税目に対する学習を行います。

国税専門官試験で合格した人は、3ヶ月間税務大学校で研修を受けた後、税務署で勤務し、1年後に税務大学校で1ヶ月間にわたる研修を行います。
その後、2年間現場での経験を積み、更に7ヶ月間の研修を受けると言う流れです。

税務調査官に「ノルマ」は課せられるのか

税務調査官に「ノルマ」は課せられるのか

税務調査を行うとなると、回収する税金の金額にノルマがあるのではないか、と考える方もいるでしょう。確かに、税務調査官には「ノルマ」と「営業成績の評価基準」が存在します。

ノルマとしての調査件数

税務調査官のノルマである調査件数は、1年間で勤務する日数によって決まります。
調査件数をクリアしなくても、特にペナルティなどは存在しませんが、
税務調査官としての評価に関わってくることなので、調査件数をクリアするということは最も大切な部分になります。

営業成績としての増差

ノルマである調査件数に加えて、税務調査官の評価に関わってくる点が「増差」というものです。

増差とは、申告されている分よりも多く集めた税金のことで、要は回収額のこと。
ノルマである調査件数をこなした上で、できるだけ多くの増差を集めてくるということが、税務調査官の評価に繋がります。

税務調査官が税務調査にあたって段階別にチェックしているポイントとは?

税務調査官が税務調査を行う上で、チェックするべきポイントを知っておくことは対応していく上でとても重要です。ここでは段階別で整理していきたいと思います。
これを知っておけば、税務調査をされたときの対処もスムーズになるでしょう。

現場に向かう前の調査準備

まず、税務調査官は実際に調査に向かう前に、統括官から該当法人の資料を受け取ります。その時に、なぜこの法人が調査対象となったのか、という理由なども一緒に知らされるでしょう。税務調査官はその資料を見て、どこを重点的に調査するべきか計画を立て、
準備ができた状態で現場にやってきます。

臨場調査でのポイント

臨場調査は、実際に納税者と対面しながら調査を行いますが、ここで確認しているのは「企業内の様子と経理の関係性」についてです。現場である企業内の設備などに変更があった場合、そのことをどのように経理に反映させているか、ということを確認してきます。その時の説明と資料に食い違いはないかといった点が調査のポイントです。

現物確認でのポイント

現物確認は金庫内の確認です。金庫内に入っている預金通帳などを確認し、簿外預金がないか確認を行います。ここで、帳簿に記録されていない通帳などが見つかった場合、更に深い調査が入ることに。同族会社であれば、特に入念に調査されるのがこの部分です。

調査官へ理解を求めていける税務調査14の論点を解説

調査官へ理解を求めていける税務調査14の論点を解説

税務調査官の質問意図を知っておこう。税務調査で聞かれる16の質問とその意図を解説

税務調査官の質問意図を知っておこう。税務調査で聞かれる16の質問とその意図を解説

税務調査の対応でお困りの際は、業界トップレベルの実績のある
「税理士法人クオリティ・ワン」にご相談ください。
月10-20件の税務調査に対応しているため、備わっている経験・知識が圧倒的に違います。

税務調査専門の税理士なら、税務調査110番

税務調査専門の税理士なら、税務調査110番