21年前。初めての調査の立ち会い。今でもよく覚えています。勤務税理士時代。上司の税理士の同行もなく、いきなりクライアントと税務調査官と私の3人。税務調査官にどんなことを言われるのだろうか？クライアントを守れるか？こんなことを税務調査官に聞いてもいいのだろうか？本当に不安で一杯でした。手が震え、足が地についていませんでした。税務調査官の全ての行動に、怯えていました。それでも、クライアントの手前上、相当背伸びをして、大見栄を張っていたのを覚えています。
そして、2回目の調査の立ち会い。初めての調査を無事乗り切り、ちょっと自信もあった。しかし、税務調査官にいいように翻弄され、最後は、不安になったクライアントと税務調査官が2人の示談で納税額が決まりました。無力感。それ以外の言葉が見つかりませんでした。それ以来、少しでも多くの文献や判例を読み、現役税務調査官・税理士と友達になり話を聞いたり、元国税出身の先生の授業・セミナー、ＭＢＡでファシリテーション＆ネゴシエーション、
心理学のセミナーを受けたりして、税務調査において納税者が安心して税務調査を受けられ、納税する時に納得して税金を納めてもらうことを探求してきました。その一環として、税務訴訟補佐人としても活躍の場を広げてまいりました。
そうしているうちに、段々と泥臭い税務調査というものが面白くなってきて、納税者から感謝してもらい、顧問契約をいただき、長いお付き合いになることに喜びを感じるようになりました。また、税務調査110番として15年間、税務調査対応を行ってきて、初めての税務調査官に「クオリティ・ワンさんは上司から聞いています。クオリティ・ワンさんが見てくれているなら、、、」という信頼もいただけるようになりました。本当にありがたいことです。
しかし、多くの優秀な税理士や税務調査官にお会いすると、まだまだ自分は勉強が足りない、と痛感します。ただ、今まで培った税務調査の経験や知識を、これから税務調査を受ける人にとって少しでもお役にたてればと思っております。