【税務調査】その一言が命取りに?重加算税を避けるNGワードと正しい言い方

税務調査で何気なく口にしたひと言が、追加で納める税金を2倍に変えてしまうことがあります。よくあるNGワードと言い換え方を、税務調査に詳しくない方にもわかるように解説します。

はじめに

税務調査では、調査官とのやり取りで使った言葉が、そのまま調査の結果に影響します。普段の会話なら問題のない言葉でも、税務調査の場では別の意味に受け取られることがあります。

この記事では、現場でよく耳にする4つのNGワードを取り上げ、「なぜ危ないのか」「どう言い換えればよいのか」を順にご説明します。

第1章 なぜ「ひと言」で結果が変わるのか

1,000万円 2,000万円 たったひと言
ひと言の違いで、納める金額が大きく変わることがあります

重加算税という重いペナルティ

調査で売上の計上漏れなどが見つかると、本来の税金を追加で納めます。このとき「わざと隠した」と判断されると、重加算税という重い税金が上乗せされます。3年〜5年分の追加納税で済むはずが、重加算税の対象になると金額が2倍以上になることも珍しくありません。1,000万円で済むはずが2,000万円になる、というイメージです。

延滞税も積み重なる

納付が遅れた期間には延滞税もかかります。年に1割近くになる場合もあり、1,000万円なら毎年およそ90万円ずつ増えていきます。ひと言の影響は、その後の資金繰りにも及びます。

第2章 NGワード①「破棄しました」

「破棄しました」 自分の意思で捨てた 「紛失しました」 意図せずなくなった
「破棄」と「紛失」は、税務調査ではまったく別の意味になります

調査官5年分の請求書はどこにありますか?

納税者4年前の引っ越しのときに、5年前の分は破棄してしまって……

なぜNGなのか「破棄」は自分の意思で捨てたという意味です。そのうえで売上の漏れが見つかると、「隠すために捨てたのでは」=隠蔽(いんぺい)を疑われ、重加算税につながるおそれがあります。
言い換え例引っ越しの際に、紛失してしまいました。

調査官から「破棄されたということですか?」と誘導されても、実際はそうでないなら、そのまま「はい」と答えないようにしましょう。

第3章 NGワード②「通帳を見ました」「除外しました」

通帳 ? 12月だけ漏れている?
何を見て売上を計上したのか、正確に説明することが大切です

売上の確認方法を聞かれたとき

調査官売上はどのように確認していましたか?

納税者通帳を見ていました。

実際には請求書をもとに計上していたのに「通帳です」と答えてしまうと、「通帳を見ていたのに、なぜ毎年12月だけ何件も漏れているのですか?意図的ではないですか?」と追及される原因になります。実際に何を見ていたのかを正確に伝えましょう。

請求書は、相手に送る分と手元の控えの2通を作るのが一般的です。忙しいと控えを作り忘れたり置き場所を失くしたりして、漏れが生じることがあります。

「除外しましたか?」と聞かれたら

なぜNGなのか「除外」は意図的に外したという意味です。「はい」と答えると重加算税につながります。普段使わない言葉だからこそ、誘導されて同意してしまいがちです。
言い換え例意図的ではなく、業務が忙しく、書類の整理が行き届かなかったために漏れてしまいました。

調査の場の空気にのまれて、思ってもいない言葉に同意しないよう、事前に声に出して練習しておくことをおすすめします。

第4章 NGワード③「他の人もやっているので入れました」

1,000万円
小さな指摘が一件ずつ積み上がり、大きな金額になります

調査官この飲食代は、ご家族との食事ではありませんか?

納税者はい。でも他の人もやっていますよね。

なぜNGなのかプライベートの支出は原則として経費にできません。「ダメと知りながら、他の人もやっているから入れた」と答えると、ルール違反を承知のうえで意図的に入れたと受け取られます。

調査官が注目するのは、1名分のファミリーレストランの飲食、お子様ランチなど家族利用をうかがわせる内容、土日や休日の飲食・レジャー施設の支出などです。

大切なのは「当時の判断基準」

人は、手持ちの情報(判断基準)にもとづいて行動します。たとえば次のような認識が実際にあったのなら、「税金を減らそうと意図的に行ったわけではない」と説明できます。

  • 知り合いの経営者から、こうした食事も経費になると聞いていた
  • 食事をしながら仕事もしているので、必要経費だと考えていた

ただし、事実と異なる説明は絶対にしてはいけません。経験豊富な調査官は、指摘を一件ずつ淡々と積み重ねます。小さな質問こそ慎重に答えましょう。

第5章 NGワード④「A社との取引はありません」

A社 A社
名指しで聞かれたときは、すでに証拠をつかんでいる可能性があります

調査官過去5年間で、A社と取引したことはありますか?

納税者いえ、ないですね。

5年前の取引先をすべて覚えている方はほとんどいません。それなのに調査官があえて特定の会社名を出すときは、取引の資料をすでに入手している可能性が高いと考えてください。

なぜNGなのかあとから取引の資料が出てくると、「先ほど『ない』とおっしゃいましたよね。事実と違うことを言ったのは、隠したからではないですか」と指摘されます。調査中の虚偽の説明は隠蔽とみなされるおそれがあります。たとえ忘れていただけでも、断言したことは記録に残ります。「間違いありませんか?」という念押しも、事実を固定する質問です。
言い換え例「手元の資料を確認して、後日お答えします」「記憶にはありませんが、調べてからお答えしてもよろしいでしょうか」

分からないことは、その場で断言せず確認してから答える。これが安全な対応です。調査官は重要なやり取りをメモに残し、質問をあらかじめ書いてきていることもあります。税理士が立ち会う場合は、「調べてから回答したほうがよいのでは」と一度立ち止まるよう促すこともあります。

第6章 共通するポイントは「事実は一つ、解釈は無数」

事実 解釈
事実は変わりません。受け取り方はいくつもあります
  • 事実:うそは絶対につかない。分からないことは調べてから答える。
  • 解釈:調査官が確かめたいのは「わざとだったか」です。物的な証拠がないとき、本人の説明は重要な判断材料になります。実際にそうであるなら、「意図的ではない」という認識を言葉にして伝えましょう。
  • 断定を避ける:確認していないことは言い切らず、「確認してお答えします」と答えます。

まとめ

税務調査での受け答えは、普段の会話とは違う難しさがあります。大切なのは次の3点です。

  1. 「破棄」「除外」など、意図的と受け取られる言葉に注意する
  2. 分からないことは、その場で断言せず確認してから答える
  3. 事実は正確に、当時の認識は正直に伝える

事前に想定問答(ロールプレイ)を行い、実際に声に出して練習しておくだけでも、本番での落ち着きがまったく違います。税務調査の通知を受けて不安な方は、税務調査に詳しい税理士に、お早めにご相談ください。

※延滞税の割合や重加算税の取り扱いは、時期や個別の状況によって異なります。具体的な事案については、必ず専門家にご相談ください。

LINE登録のご案内

公式LINEにご登録いただくと、5大特典+さらに2つの特典をご用意しております。

ぜひLINEにご登録いただき、すぐに税務調査に役立つ情報を手に入れてください。

👉 公式LINEに登録して特典を受け取る↓