「税務署から電話がかかってきた…」と聞くと、誰もが「税務調査だ!」と身構えてしまうかもしれません。

しかし、税務署からの連絡がすべて重い税務調査を意味するわけではありません。

今回は、年間150件以上の税務調査対応を手がける専門家と国税OBの視点を交え、税務署から電話がかかってくる本当の理由や、連絡を受けた際の正しい対応方法、やってはいけないNG行動についてわかりやすく解説します。

今回の動画は税務調査 税理士といったらこのお二人!

二人のこちらの動画を元に読みやすく記事にいたしました。

現在すでに税務署から連絡があり、「どう対応すればいいかわからない」「申告漏れを指摘されそうで不安だ」
という方は、一人で抱え込まず、すぐにご相談ください。

1. 税務署からの電話=税務調査とは限らない?連絡の主な種類

電話が来たら慌ててしまいがちですが、実際には調査以外の用件であるケースも少なくありません。代表的な連絡パターンは以下のとおりです。

事務的な不備やお尋ね

個人の方に特に多いのが、確定申告書の添付書類漏れや計算ミス、届出書の記載不備といった手続き上の確認です。

これらは確定申告の時期(1月末や4月下旬以降)によくかかってきますが、税務調査ではなく単なる事務確認ですので恐れる必要はありません。

反面調査や法定調書の確認

取引先の税務調査に伴い、事実関係を確認するために連絡が来る「反面調査」や、提出書類の提出状況を確認する調査もあります。

これらはあなた自身の申告ミスを追及するものではなく、取引先の申告が正しいかを確かめるための手続きです。

滞納に関する連絡

税金の支払いが遅れている場合、コールセンター(自動音声など)から電話がかかってくることがあります。

本格的な税務調査のアポ取り

もちろん、本格的な税務調査の事前連絡である場合もあります。

従来は8月中旬のお盆過ぎ頃から電話が増える傾向にありましたが、近年は人事異動の直前(6月中旬頃)から前倒しで連絡が入るケースが増加しています。

2. 電話を無視し続けるとどうなる?「無予告調査」の恐怖

税務署からの着信を気まずいからと3〜4回無視し続けるのは非常に危険です。

連絡が取れない状態が続くと、調査官が事前連絡なしに直接自宅や事業所にやってくる「無予告調査」へ移行する可能性が高まります。

無予告調査に入られてしまうと、大きなデメリットが生じます。

通常、税務調査の前に自発的にミスを認めて直す「自主申告(修正申告)」を行えば、重加算税が回避できるほか、過少申告加算税が軽減されるメリットがあります。

しかし、調査官が家に来てしまってからでは自主申告の機会が失われ、ペナルティが一気に重くなります。

延滞税(年利約9%)や重加算税が過去7年分まで遡って課されると、元々の税額の90%近くがペナルティとして上乗せされるケースすらあります。「逃げ切れる」ということは基本的にありません。

連絡を無視していると、最終的には仕事現場や職場にまで調査官が訪ねてくることもあるため、着信には必ず折り返し対応しましょう。

3. 電話対応でこれだけは確認・記録しておくべきポイント

電話を受けた際は、動揺して相手の名前すら聞き取れない方が多いですが、冷静に以下の項目をメモしておくことが重要です。

担当者の部署・役職・氏名:通常の個人課税部門なのか、特別調査官(特官)なのかによって調査の深刻度が変わります。単なる総務課からの確認であれば調査ではありません。

調査の対象となる税目:所得税なのか、贈与税や相続税なのかを確認します。

対象となる期間(年分):通常は3年分ですが、「5年分」と言われた場合は税務署側が相応の疑いを持って本格的に臨んできている証拠です。

予定されている日数:通常1〜2日のところが「3日以上」提示された場合も、入念な調査が予想されます。

4. やってはいけない!電話口でのNG行動

電話対応において、特に注意したいのが「余計なことを喋りすぎてしまうこと」です。

調査官から「〇〇銀行の口座の件でお聞きしたい」などと振られた際に、焦って具体的な取引内容を自ら話してしまうと、税務署側に「調査の着手・糸口」として扱われてしまいます。

その結果、調査日までに自主申告をしてペナルティを軽減しようとしても「すでに指摘されていた」とみなされ、自主申告として認められなくなるリスクがあります。

また、調査前に「帳簿や資料を事前に送ってほしい」と頼まれることがありますが、これに応じる必要はありません。「資料は大切に保管してありますので、調査当日に現地でお見せします」と答えるのが賢明な対応です。

おわりに

税務署から電話がかかってきたら、まずは落ち着いて「何の件で、誰から連絡が来たのか」を正確に把握することが第一歩です。

絶対に放置せず、必要であれば税務調査に強い税理士へ早めに相談し、正しい事前準備と対応を行いましょう。

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