目次
はじめに
税務調査にやってくる税務調査官には、実はさまざまなレベルの人がいます。
その中でも「この質問をしてくる人は本当に優秀で恐ろしい」という、すご腕の税務調査官が使う巧妙な質問があります。
彼らは、納税者をじわじわと追い詰め、最終的に最も税金の重い「重加算税」の落とし穴に誘導するのが非常に得意です。
今回は、年間130件以上の税務調査に対応する税理士の視点から、すご腕調査官が使う巧妙な質問3戦とその対策について詳しく解説します。
すご腕税務調査官が使う巧妙な質問3選
1. 段階的に深くなり、事実を固定する質問
一般的な調査官は「現金はどこにありますか?」「この売上はどこの会社ですか?」といった単発の質問をブツブツと繰り返します。
しかし、すご腕の調査官は、自系列でストーリーを作るように質問を重ねていきます。
【巧妙な質問の例】
「現金売上はありますか?」→「あります」
「その時、領収書は100%間違いなく切っていますか?」→「必ず切っています」
「確定申告は誰が、何を見て集計していますか?」→「私が、その領収書を1枚ずつ見てやっています」 「なるほど。実は今回、現金売上が300万円足りないのですが、必ず領収書を書いて集計しているのに少ないのはどういうことですか?」
このように外堀を埋めて事実をピン留めし、最終的に「すいません、抜いちゃいました」と言わざるを得ない状況(重加算税の対象)を作り出すのが誘導尋問の手口です。
〇対策: 質問が続いてストーリーが作られていると感じたら、安易に「100%」「絶対」と言い切らないことが大切です。「原則はそうしている認識ですが、もしかしたら忘れてしまう時もあったかもしれません」と、含みを持たせてピン留めを回避しましょう。
2. 調査官の「解釈」を混ぜた質問
事実と解釈を混ぜて質問し、こちらの意図的な不正(故意)を認めさせようとする手法です。
【巧妙な質問の例】 「こんな300万円もの大きな金額の売上が漏れるなんて、通常はあり得ないですよね?」
「300万円の売上が漏れていた」というのは事実ですが、「こんな大きな金額」というのは調査官の解釈に過ぎません。年商規模によっては大きくない場合もあります。この質問の裏には、「これだけ大きければ気づかないはずがない=わざと隠したんですよね?」という意図が隠されています。
〇対策: 調査官の言葉を「事実」と「解釈」に切り離して考えましょう。
解釈の部分には反応せず、「漏れていたのは事実ですが、集計時のミスで特に金額の大小は意識していませんでした」と、事実のみを淡々と伝えるのが好ましい対応です。
3. 同じ質問の繰り返し
一見、すでに終わったような話を、角度を変えて「根掘り葉掘り」何度も聞いてくるパターンです。
たとえば「請求書だけを見て売上を集計していたので漏れてしまった」と言い訳をした場合、調査官は「通帳」について何度も同じような質問を重ねてきます。 「通帳は誰が記帳していましたか?」「売金の入金は確認していましたか?」「月何回くらい通帳を見ていましたか?」といった具合です。
これで「通帳は毎月細かくチェックしていた」と答えてしまうと、「通帳を見ていたなら、請求書が漏れていても売上が足りないことに気づけたはずですよね?」と、揚げ足を取られて重加算税に発展しかねません。
〇対策: 同じ質問をされたら、気まずさから話を盛ったり変えたりせず、最初と同じ回答を繰り返して問題ありません。
曖昧な答えや余計な詳細を話すと、そこから崩されてしまうため、一貫性を持たせることが重要です。
おわりに
すご腕の税務調査官は、言葉巧みにこちらを「重加算税」の落とし穴へと誘導してきます。
もし調査の現場で「誘導されているな」「同じことを何度も聞かれるな」と感じたら、今回ご紹介した対策をぜひ思い出して冷静に対応してください。
税務調査への不安がある方や、あらかじめ正しい知識を身につけておきたい方は、ぜひチャンネル登録をお願いします。
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