目次
はじめに
税務調査と聞くと、「何を聞かれるのか分からない」「うっかりミスが大ごとになりそう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、税務調査では対応の仕方ひとつで、調査の結果が大きく変わることがあります。
うっかりやってしまいがちな言動が、重加算税などの重いペナルティにつながることもあるのです。
この記事では、年間130件以上の税務調査に立ち会ってきた税理士が、現場で実際に見た“NG対応”を10個厳選し、
「なぜダメなのか」「どう対応すればよいか」を具体的に解説します。
この記事を読むと、以下のようなことがわかります:
- 税務調査でやってはいけない“よくあるミス”
- 調査官の意図を読み取った対応方法
- 税務調査をスムーズに乗り切るための準備と心構え
税務調査は入らないと思っている方もぜひチェックして後悔のない対応をしていきましょう!
NG対応10選
1. 調査官からの電話にすぐ日程を決めない

調査の電話が来たら焦って「来週で大丈夫です」と即答しがちでです。
しかしこれは大きなNGです。
準備不足のまま調査を迎えると、指摘事項が増え、結果的に納税額が1.5〜2倍に膨れ上がるリスクも。
税理士と相談し、過去の帳簿や資料をチェックし、必要なら修正申告を済ませてから日程を調整しましょう。
私たちは通常、3週間ほど準備期間を取ることをおすすめしています。
2. だんまりを決め込むのは逆効果

「喋らなければバレない」と思って無言を貫くのも逆効果。
調査官は聞きたいことを聞くまで、何度でも質問してきます。
だからといって、しゃべりすぎもNG。
情報を出しすぎると、調査が長引き、負担も増える一方です。
ベストは「聞かれたことにだけ、簡潔に答える」スタンスです。
3. 趣味の話には要注意!調査官には意図がある
調査官が「趣味は何ですか?」と聞いてきたら、それは雑談ではありません。
あなたが経費にしている支出の中に「趣味に関連したもの」がないかを探っているのです。
たとえば「釣りが趣味」と話した後に、釣具店のレシートが経費に計上されていたら…
「これはプライベートの支出では?」と指摘される可能性が高まります。
このような場合は、「事業と関係がある」「取引先と同行している」など、合理的な説明を事前に用意しておくことが大切です。
4. パソコンのデータを隠さない

「見せたくない」「ゴミ箱に入れよう」といった行為は、すべて“隠蔽”と見なされるリスクがあります。
税務署の調査官は、PC操作の履歴や削除ファイルの痕跡もチェックしています。
不自然な履歴や改ざんが見つかると、重加算税という重いペナルティが課される可能性があります。
5. 私じゃない!「税理士がやった」も通用しない
「私は知らない」「妻に任せていた」「税理士に丸投げしていた」
よくある言い訳ですが、最終的な責任は納税者本人にあります。
大切なのは、税理士や経理担当者と事前にきちんと打ち合わせをしておくこと。
仮に当時の記憶が曖昧でも、「この部分は税理士と確認してみます」という対応が信頼につながります。
6. 「他の人もやってる」は意味がない
税務調査でつい言いたくなるのが、「他の人もやってるじゃないか」「政治家だって税金納めてない」という言い分です。
気持ちは分かりますが、これは調査の場ではまったく意味を持ちません。
調査官が見ているのはあくまで、あなたの申告が正しいかどうかであって、他人の行動は関係ありません。そうした発言をしても、「ではその人を教えてください」で終わってしまいます。
むしろ、「責任転嫁している」「反省がない」と受け取られて心証を悪くすることもあるため、避けた方が無難です。
税務調査では、他人ではなく、自分の申告と真摯に向き合うことが何より大切です。
7. 税務調査を拒否するのはNG

税務調査が入ると聞くと、誰しも「できれば避けたい」と思うものです。中には「忙しいから無理」「前回もやったからもういいでしょ」と、調査そのものを拒否したくなる方もいるかもしれません。
しかし、原則として税務調査には「受任義務」があり、納税者は正当な理由がない限り、調査を受ける必要があります。
完全に拒否することはできません。
もちろん、体調不良や繁忙期などの理由がある場合は、日程の変更や場所の調整は可能です。
税務署側も柔軟に対応してくれるケースが多いため、無理に断ろうとするのではなく、まずは事情を丁寧に説明し、調整を試みることが大切です。
調査官との話し合いによって、結果的にスムーズに進むことも多いため、無用な対立を避け、協力的な姿勢で臨むことをおすすめします。
8. 資料の提出を拒否しない

調査官が「この資料をお預かりします」と言った時、原則として断ることはできません。
ただし、事業に支障が出る場合(現在使用中の通帳など)は相談可能です。
個人情報が含まれていても、調査官は守秘義務を持つ国家公務員ですので、基本的には信頼して預けて問題ありません。
9. 「前回の調査では言われなかった」も意味なし
税務調査の現場では、「調査官が変われば、指摘される内容も変わる」というのが現実です。
過去の調査で何も言われなかったことが、今回の調査で突然指摘されることも珍しくありません。
そのため、「前回は問題なかったから大丈夫だろう」という考えだけで対応してしまうのは非常に危険です。
税務調査は調査官個人の判断や知識、そして着眼点によって結果が左右される側面があります。
つまり、前回スルーされた項目が、今回の調査官には「見逃せない問題」として扱われることも十分あり得るのです。
ただし、前回の調査時に正式な議事録や調査結果のメモをきちんと保管していれば、それが今回の交渉材料になることもあります。
10. 嘘をつかない。言い方が大事!

焦って嘘をつくと、それが“隠蔽”と判断され、重加算税の対象になります。
「そんな口座はありません」と言った後にその口座が見つかると、ペナルティが一気に跳ね上がります。
「私の記憶では…」「もしかしたら…」と、事実を否定せず曖昧に答え、あとで調べてから回答するのがベターです。
まとめ:調査官は敵じゃない!味方をつくって乗り越える

税務調査というと、どこか「怖いもの」「厳しいもの」というイメージが先行しがちです。
突然の連絡や慣れないやり取りに、不安や緊張を感じるのは当然のことです。
ですが、税務調査の本質は「適正な納税がされているか」を確認するためのものであり、対立構造ではありません。
とはいえ、対応の仕方を間違えると、調査が長引いたり、思わぬペナルティにつながることもあるのが現実です。
だからこそ、事前の準備と冷静な対応がとても重要になってきます。
今回ご紹介した10のNG行動は、実際の調査の現場で頻繁に見られる「よくある失敗」ばかり。
ちょっとした受け答えや判断ミスが、調査官の心証に影響し、結果として不利な扱いを受けることもあります。
一方で、調査官の質問の意図を正しく理解し、必要な準備を整え、誠実に対応することで、調査はスムーズに終わり、不要な追徴課税を避けることも十分に可能です。
税務調査において大切なのは、「事実をごまかさないこと」、そして「わからないことをそのままにしないこと」です。
調査官も一人の人間です。感情や信頼関係が調査の進行に影響することもあります。
必要以上に恐れることなく、きちんと準備をして、真摯に向き合うことができれば、税務調査は決して怖いものではありません。
このブログを通じて、皆さんが「税務調査に対する正しい知識と心構え」を持ち、いざというときに落ち着いて対応できるようになることを願っています。
さらに詳しくは、以下のYou tube動画でも解説しております。