いざという時のため、避難訓練ならぬ、税務調査訓練を!
いつも、弊法人をご愛顧いただきありがとうございます。
今回は、「事前連絡もなく、税務署の職員が突然訪問してきたら?」という、「無予告調査」に焦点を当てて、緊急時の正しい対応をご案内します。
なお、無予告調査については弊法人のYouTubeチャンネルでも詳しく取り上げております。
https://www.youtube.com/watch?v=CRGQr9mK_m4
📢臨場時の最重要対応:この2点を守ってください
無予告調査は、お客様が最も不利になりやすい「税理士不在」の状態で始まります。次の手順で、必ず弊法人に連絡いただき、弊法人税理士立会いを要請ください。(税務署の職員の甘言に乗らず、次の2点を遵守ください。)
️提出義務者について
お客様は、まず「顧問税理士と連絡を取るのでお待ちください」と毅然と伝え、調査官を店舗や事務所、敷地の外で待ってもらってください。
調査官を店舗等に安易に中に入れてしまうと、「調査に同意した」(黙示の承諾(※1))と見なされ、その場で調査が始まってしまう可能性が高くなります。
身分確認:必ず身分証明書の提示を求め、氏名、所属、来訪目的を冷静に確認しましょう
雑談は厳禁:調査官は雑談を通じて情報を得ようとすることがあります。余計なことは話さないよう注意が必要です。
(※1)本来,税務調査は納税者の明確な承諾が必要であるものの、平成10年3月19日の大阪高裁では「黙示の承諾」を認めている。
小職の認識で,エビデンスがあるわけではない。
(判決要旨抜粋)
税務職員による質問検査権の行使は任意調査の一種であると解すべきであるから、その行使に際しては相手方の承諾を要するものであるところ、その承諾は必ずしも明示の承諾に限られるものではなく、場合によっては黙示の承諾も許されるものと解するのが相当である。
ただし、質問検査権行使の相手方が、納税義務者本人ではなく、納税義務者本人の業務に従事する家族、従業員等である場合には、質問検査権の行使が納税義務者本人の承諾が得られないことを回避する手段、目的でなされることのないよう特別の配慮をすることが望ましく、したがって、納税義務者本人の事前の承諾が得られていない場合における納税義務者本人の業務に従事する家族、従業員等による黙示の承諾の有無については、その具体的状況を勘案した上で、慎重に判断する必要がある。
すぐに弊法人へ連絡!️
調査官を待たせている間に、すぐに弊法人へお電話ください。無予告調査が来た事実を速やかに伝えます。調査官には「税理士が到着するまで待ってもらう」か、「税理士と電話で対応する」旨を伝えてください。
弊法人の指示があるまで、調査官からの質問には安易に答えたり、書類を見せたり、絶対に署名したりしないでください。
よくあるご質問と正しい理解📝
☑️Q1. 書面添付制度を導入しているのに、無予告調査は来るのですか?
通常の税務調査では、事前通知の前に弊法人へ意見聴取の機会が与えられ、そこで調査が省略されるケースが多くあります。
しかし、これは「事前通知」が行われる調査の場合です。無予告調査は、そもそも事前通知によって証拠隠滅などの調査への支障が生じるおそれがある場合に行われます。 このため、弊法人への意見聴取の機会もなく、いきなり臨場することがあります。
☑️Q2. 無予告調査は違法な調査ではないのですか?
違法ではありません。税務調査は原則として事前通知が必要ですが、国税通則法により、課税の公平確保の観点から、一定の場合(証拠隠滅のおそれなど)には事前通知を行わないことが認められています。
☑️Q3. 「反面調査」でも弊法人に連絡した方が良いですか?
取引先への「反面調査」と確定した場合は、その場で税務署の指示通りにご協力いただいて問題ありません。
ただし、訪問時では、それがお客様ご自身の調査なのか、取引先に関する調査(反面調査)なのかが判然としないことがあります。
その際は「顧問税理士に確認するので少々お待ちください」と伝え、まずは弊法人に一報ください。弊法人が調査官に確認を取るのが最も確実です。