いつも大変お世話になっております。税理士法人クオリティ・ワンです。
11月も中旬となりました。皆様も新年の事業計画を作成されていることと思います。
まずは,『事業計画作成でお悩み』でしたら,『弊法人のオンライン講座』をぜひご受講ください。(https://q-onecst.jp/category/planning/)
消費税仕入税額控除
取得年月日と譲渡年月日にご注意
事業計画作成が進むと,設備投資等の検討になることも多いですが,大きな出費ゆえ,税効果もご検討されると思います。
さて,設備投資等にあたって,もっとも高額なのが不動産です。
不動産(土地等を除く。)を行った場合,消費税(一般(本則)課税に限る。)が還付となることがあります。
ここで問題となるのが当該不動産の「取得年月日」です。出口戦略の「譲渡年月日」とセットで整理をしましょう。
減価償却法(届出書)
定額法と定率法にご注意
個人事業者の方は,設備投資にあたり,法定償却方法が定額法であるため,届出書提出による償却方法変更が必要かもしれません。
届出書は事業者の状況によって提出期限が変わります。
安全を期すためには次回の確定申告までの届出書提出が肝要です。
ご検討の方は,早期に担当者にお申し出ください。
役員給与
事前確定届出給与と異なる金額を支給すると損金不算入
2024年10月2日の東京高裁判決のとおり,事前確定届出給与とは,届出がされたとおりに支給する給与です。届出額は十分ご検討ください。
(要旨)
1 事案の概要
・原告X社は「支給額2,800万円」と記載した事前確定届出給与の届出書を提出。
・X社は,届出給与とは異なる金額の2,500万円を支給。
法人税において本件支給2,500万円を損金算入のうえ,確定申告。
・税務署は,本件2,500万円は事前確定届出給与に該当しないとしてX社に対し,法人税の更正処分を行った
2 判決要旨(本判決下級審(2024年2月21日東京地裁)の抜粋)
・役員給与は,会計上は費用とされるが,法人と役員との関係性を考慮すると,役員給与の額を無制限に損金の額に算入することとすれば,法人が役員給与の額をほしいままに決定することにより,法人所得の金額を調整することが可能になってしまう。
・法人税を回避するなどの弊害が生じ課税の公平性を害することから,役員給与のうち損金算入できるものには一定の要件が存在している。
・「事前確定届出給与」は,事前に支給時期と支給額が株主総会において確定的に定められ,事前確定届出給与の届出を提出した給与については,役員給与の支給額をほしいままに操作し法人税の課税を回避する弊害がないため,これを損金に算入することを認めたものと解釈することができる。
・今回のケースを認めてしまうと,例えば支給額を高額に定めて事前確定届出給与を提出して予め枠取りをしておき,その後に届出金額よりも減額した金額で支給して損金算入額を操作し法人税課税を回避することが可能となってしまう。
これは事前確定届出給与制度の趣旨を没却するものであり,課税の公平性を害する危険性があるものである。
・したがって事前確定届出給与は,株主総会等の決議で役員給与が確定的に定められ,その決議に基づいて事前確定届出給与の届出がされた場合,それに従って届出がされた通りに支給する給与のみと考えるのが相当である。
・よって,事前確定届出給与の届出と異なる金額の役員給与が支給された時は要件を満たさず,実際に支給された役員給与額の損金算入は認められない。
(速報)社会保険料節約スキーム終了(噂)について
10月中旬から「社会保険料節約スキーム終了」の噂が流布しておりますが,「見直しの可能性がある。」というものです。
それは,2024年9月30日に開催されました「第183回社会保障審議会医療保険部会」の配付資料「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方について(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001309905.pdf)」で「標準報酬月額が最低額の中には,代表取締役や役員で,報酬を極端に低く設定し,高額な賞与を支給しているケースも存在する。」と指摘をしたからです。
早ければ2025年度からの制度改正が想定されます。事業計画策定時の固定費にご注意ください。
生前贈与
住宅取得等資金の贈与
近年の住宅価格の高止まりもあり,住宅取得等資金の贈与をお考えの方も多いかと思います。
同制度は3月15日までに同特例適用の旨の贈与税申告書の提出が必須です。
同制度ご検討の方は,早期に担当者にお申し出ください。